勤務医が開業医よりも高級取りに?ついに年収が逆転!
「勤務医が開業医よりも高級取りに?ついに年収が逆転!」
今までは勤務医よりも開業医の方がはるかに稼ぐ、「勤務医は開業医になる前の修行」という認識があったのですが、実はここ数年、歯科業界においてこの立場が逆転しています。
また現在医科においてはまだまだ開業医の方が稼いでることが多いのですが、医科においても今後歯科と同じ現象になることが予想されます。
もし今勤務医をしてる方で開業も視野に入れてるドクターは一度このデータを参考にしていただければ幸いです。
開業医の平均年収は大きく低下
医療経済実態調査によると歯科医の年収は2008年には1335.5万円、しかし2010年には1113.1万円、さらに2012年には1096.4万円まで下がっています。
なぜこのようになったのかは言わずもがな、大きな理由の一つが歯科医院の数が増え過ぎたことです。
患者はコンビニに行く回数よりはるかに歯医者に行く回数が少ないにもかかわらず今やコンビニよりも多いと言われる歯科医院。
2007年歯科医師のワーキングプア問題が取り沙汰され、大きな話題となりましたが、
あれからも多少は減ったもののそれでも年々歯科医院は一日に5軒というペースで増え続けています。
今までは新規の歯医者は危険と言われていましたが、今では既存の固定の患者がいた歯医者も危険水域の歯科医院が増えてると言われています。
また、ドル箱と言われていた子供の虫歯、少子化と歯磨き習慣の向上によりこれらが激減、さらに今の母親は子供により良い医療を受けさせたいと、ネットで様々な歯評判の良い医者を探し、多少遠方でも子供のために通うという状態。
その腕のいい歯医者と評価されればいいものの、そうでない歯科医院はかなり厳しい状況に追い込まれるのも致し方無いと言えるでしょう。
私の知り合いの歯科医も以前は1300万円ほどだった年収がここ5年の間に年収ベースで200万円ほど下がっています。
では「勤務医の給料」はどうなってるのでしょうか?
勤務医の年収は意外にも?
福利厚生分野の専門研究機関である労務研究所によると病院に常勤する歯科勤務医の年収は2012年度で1405.7万円、
先ほどの開業医の2012年度の1096.4万円と比べると300万円以上という大きな差があることがわかります。
実際に「勤務医から開業をしたら年収が半分になってしまった」という話はよく聞きます。
当然開業医となると金融機関からの借り入れなど、プレッシャーも勤務医とは比べ物にならない状況であり、今や開業医は非常にリスキーな職業の一つといえるかもしれません。
勤務医としての就職先は狭き門?
医大のネットワークがある人であればその大学とパイプのある病院などへ勤務医として働くことは可能ですが、一度開業してしまったドクターなどは年齢的に難しいことが多いと言われています。
2012年の調査によると診療所で働く歯科医は8万7000人、それに対して歯科大の付属病院は1万人程度、
また総合病院でも働く歯科医は多くても3人程度、一般の病院に勤める歯医者は3000人に満たないのです。
実際に勤務医を経て開業してからこれらの現実に直面し、後悔してる歯医者さんはかなり多いので、もし現在病院などで勤務医をされてて、開業を検討される方はいろいろな面から開業をするかどうするか検討しなおすべきだと思います。
年収450万円以下の歯医者が3割?
歯科の経済情勢に詳しい厚労省担当の記者によれば、勤務日数の少ない一部の高齢歯医者を除いた数字で見ると
年収2000万円を超える歯医者は全体の15%程度であり、700~1500万円が45%とされています。
しかし30%は450万円以下とされており、このうちのほとんどの歯科医は月収30万円程度と言われています。
歯科大という高い学費を払い、さらに銀行から数千万規模の借り入れをして開業した開業医のうち、3割が一般的なサラリーマン程度の給料というのは確かにワーキングプアと言われても仕方がないといえるでしょう。