コンサルティング会社の医師開業パックは利用する価値ある?

以前仲の良いドクターから飲み席に「弟(歯科医)が開業するらしいけど、医療コンサルタントに依頼しようと思ってるけどどう思う?やはりコンサルタントよりも知り合いの医師に相談すべきだろうか?」
という相談を受けたことがあります。
最近増えてきてる医療コンサルティング会社が行う「歯科医開業パック」や、「医療開業支援パック」と呼ばれるパックコンサルのことですね。
実際に利用する価値はあるのでしょうか?
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開業コンサルタント、その価値とは?
開業する際の資金繰りや立地の相談、開業する際の準備、場合によっては衛生士や看護師の募集までしてくれるところまであります。
つまり開業を始める際の医師にとってはとても頼もしい存在であり、最近このようなサービスを行う会社が増えてきています。
費用は90万円~200万円ほどで会社やサービス内容などによって価格が変わるようです。
そこそこな値段がしますが、ではこのコンサルタントに開業支援を頼む価値はあるのか?ということですが、私自身コンサルティングなどの業務は行ってないので、あくまで客観的に見て利用した方がいいと思います。
正直なところコンサルティングが介入してる病院、歯科医院はほとんどがうまく行っています。
よく先輩で歯科医院を経営してる方などに聞くという方もいますが、今の集客などが昔と比べて変わってきてるので必ずしもそのとおりすればいいとは限らなくなっています。
正直、横のつながりでの開業はあまりお勧めしません。
とはいえ、あまり医療コンサルティングについてほめ過ぎると私が回し者みたいな感じを受けるので正直なところ嫌だったのですが、事実、ちゃんとした医療、歯科コンサルティング会社に依頼すればうまく行くケースが多いです。
というよりも開業する際の歯科医師、医師は腕は確かにいいのですが、集患や経営に関してはまだまだ分からない、知らないという部分が多く、これについてはやはりプロの意見を参考にすべきだと思います。
コンサルティングを受けるメリット
サービスの種類はコンサルティング会社によって異なりますが、人気のコンサルティング会社の開業パックを見ると以下のような部分が強みといえます。
事業資金が通りやすい
これは医療に限らずコンサルティング会社の強みでよく聞く話ですが、
「自分で国金や銀行に行っても審査に通らなかったが、コンサルティングに依頼したらすんなり審査が通った」
という話です。
昨今では医師、特に歯科医師に関して銀行はかなり厳しく審査をするようになり、なかなか銀行からの融資に苦労する医師も多いのですが、
やはり事業計画書の作り方や、銀行や国金の審査でどのような部分が重要視されるかというのを優秀なコンサルティング会社はわかっており、彼らに頼むことでスムーズに審査を通すことができることが多いようです。
とても重要な部分ですのでこれについてはコンサルタントの大きなメリットといえるでしょう。
開業に適した立地選びがわかる
コンサルティング会社によっては不動産鑑定士などを雇ったり、鑑定士の在籍する会社と提携し、どのエリアに開業すれば集客(集患)に適してるかなどアドバイスしてくれる会社もあります。
開業する場所は非常に重要であり、これに失敗すると多額の資金を失ってしまうことになるのでここに関しては優秀な鑑定士や、開業するエリアに詳しいコンサルタントかどうかなどしっかり確認しましょう。
衛生士や看護師を紹介してくれる
これについてはオプションなどでできる会社やできない会社もあるのですが、今や医師の方でも衛生士や看護師の募集に苦労する時代です。
特に歯科衛生士は確保がなかなか難しいといわれていますが、一部のコンサルティング会社では専門学校などと提携し、卒業生の紹介などを行ってくれる会社もあります。
これはあればぜひ申し込みたいサービスです。
WEBサービスのコンサルティングが受けれる
これも最近かなり重要な要素を占めます。
今の患者さんは病院を選ぶ際にインターネットで口コミや検索エンジンなどで探してから歯医者に行きます。
なのでWEB集客はいまや医科でも歯科でもどちらも重要な要素といえます。
ホームページ作成はもちろんのことながら、SEOやリスティングなどのサービスを行ってるコンサルティング会社が良いと思います。
ただし、経験上、WEB集客と実店舗の集客に関してはどちらもわかるというコンサルティング会社は少なく、WEB集客に関してはそれ専門の会社の方が強い傾向にあると感じています。
またWEB集客に関しては大手の上場企業だからWEB集客に強いということはありません。
実際に大手の企業でもWEB集客は月額費用が高いだけで全く顧客が集まらないという話ばかりです。
これについてはインターネット集客に詳しい業者さんをしっかり見極めないと毎月の費用ばかりかかつて集客できないという事態に陥ってしまうことになります。
コンサルティング会社のデメリット
もちろんコンサルティング会社を雇うデメリットもあります、これを知った上で利用するかどうかを判断しなければいけません。
費用が発生する
これは当たり前ですが、コンサルティング会社を利用することで100~200万円、オプションや契約の期間によってはさらに費用が発生することも考えられます。
そのためこれらの費用が高いと感じたり、自分でやった方が安いという場合はコンサルティング会社を雇わないという選択肢もあります。
また以下に述べるようにコンサルティング会社によって実力にかなり差があるのではずれを選ぶくらいなら自分でやるか、知り合いをあたった方がいい場合もあります。
コンサルティング会社によって結果が違う
これはもう仕方ないのですが、開業パックを売りにしたコンサルティング会社はたくさんあり、正直はずれを選ぶと事業がうまく行かないどころか、役に立たないのに追加料金をあとからどんどん請求されたということになってしまうこともあります。
そうならないように評判や実際に利用した人がいればその人にコンサルティング会社が良かったかどうかなど確認してみるのもいいでしょう。
また、コンサルティング会社によっては経営の判断(節税対策など)におかしな提案をされる場合があります。
なのでこのようなわからない、迷った場合などは別のコンサルタントや税理士などの専門家にも相談してみましょう。
コンサルティング会社を使うかどうかのまとめ
医療業界も昔を大きく変わってきています。
昔であればそこそこ立地のいい場所に歯科医院、病院を構えていれば、勝手に患者さんが集まっていた時代もありました、しかし今は全く別。
患者さんはインターネットを駆使して様々な情報を集めてきます。
しかも医療に関する知識もある程度ネットで調べて理解しています、この傾向が非常に強いのが幼い子供を持つ母親です。
子供のためにインターネットを調べ上げ、最適とわかれば近隣よりも何駅も離れた歯医者に通い、場合によっは保険適用かどうかなど関係なしに利用するのです。
一昔前ではあまりこういう現象をイメージできないというお医者さんも多いと思いますが、今は時代が違います。
こういう事情をコンサルティング会社は把握してるかどうか見極め、しっかりした会社を選べば明るい未来が待っているといえるでしょう。
今は医療の開業は難しく、しっかりした専門家に頼むべきではないかと私は感じています。