病院、クリニックの資金調達法一覧

開業、機材の購入などなどで資金が必要、そんな時にクリニックや歯科医院の経営者の方が資金を調達する場合どのような方法があるのか?

銀行や日本政策金融公庫などいろいろな方法がありますが、それぞれ特徴があります。

金額や融資までの期間、金利、使用用途などによってさまざまな資金を調達する方法がありますのでまとめてみました。

それぞれ特徴があり、目的によって使い分けることができます。

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は国が100%出資し、中小企業向けに様々な融資を行います。

他の金融機関で審査が通らなくても日本政策金融公庫の場合受かる場合もあるなど審査が比較的緩いのも特徴です。
新規創業制度など、場合によっては無担保、無保証人で融資を受けることができます(融資限度は3,000万円、審査も銀行などと比べるとやや緩い傾向にあります。

ただし、融資まで数週間から一か月と非常に時間がかかるのがデメリットといえるでしょう。

借り換えは禁止

基本的に日本政策金融公庫は国の制度であり、金利が非常に安いのですが、そのため民間の銀行の融資から乗り換えることで民間の事業に支障をきたすことがあります。そのために原則乗り換え目的で融資は受けることが出来ません。

【融資限度額】

7,200万円以内(うち運転資金4,800万円以内)※無担保、無保証人で受ける場合は3000万円

利率(年)

使いみち、返済期間、担保の有無などによって異なりますがおおむね2.0〜3.9%程度と言われています。

例えば設備投資などの場合は比較的安い制度(企業活力強化資金)などを利用すれば1.7%程度で受けることが可能です。

銀行の変動金利とは違い固定金利であるので事業の見通しが立てやすいのも魅力といえます。

銀行からの融資

融資と言えばやはり銀行です。

金利の安さが魅力ですが、金融庁の発表している「金融検査マニュアル」によって信用格付けがあり、その格付けに見合わないと最近では病院でも融資を断れることも珍しくありません。

病院や診療所でも最近この「格付けがなぜか下がった」という話や「苦しい時になぜ銀行は助けてくれないのか?」と首をかしげる病院関係者の方も多いと思いますが、これは銀行からすれば仕方のないことなのです。

銀行も金融庁からの指導により金融検査マニュアルの格付けをもとに融資の判断をすることが求められているからです。
格付けが「正常先」(業績が良好で財務内容も問題なし)の場合には積極的に融資を行い、業績が低調な「要注意先」「要管理先」に該当すると融資を断る傾向にあるからです。

銀行側も手のひらを反すようではありますが、これが銀行のスタンスなのです。

特にメガバンクなどは、新規開業する開業医に対しての融資はそこまで積極的ではなく、開業医の方の中にはかなり苦労してる方も増えています。

またとにかく融資に時間がかかり、今すぐ資金が必要な場合に間に合わないこともあります。

銀行は、事業計画書だけでは回収には不安があるので、もし返済ができない場合に資産を売却するなどして、損失を補てんできるかどうかを調査します。

なので場合によっては担保や保証人が必要となる場合があります。

審査も銀行によってはかなり時間がかかること、そしてなにより審査の通りにくさがデメリットと言えます。
仮に通った場合でも最近では病院関係者の場合、思った金利より高くなってしまった‥というドクターも珍しくありません。

また融資までの期間も数週間から地方銀行などの場合は数か月かかることも珍しくありません。

福祉医療機構からの融資

福祉医療機構の行う融資制度である「医療貸付事業」は民間の社会福祉施設や医療関係施設等に対し、「低利」での融資を行うことで、福祉、介護及び医療サービスを安定的かつ効率的に提供する福祉政策を目的とし作られた制度です。

つまり診療所の少ない地域に低利で診療所を増やすことを目的とした制度であり、要件に適合すれば非常に安い金利で利用することが出来ます。

ただし原則はクリニックの建築用途以外には利用できないこと、充足地域は不可能であることなど制限があります。

また、審査は銀行融資より緩いものの、担保、さらに保証人が必要
担保は、原則として、土地、建物を提供する必要があります。

担保の要件は以下のとおりです。

1 原則として、所有者を問わず、次に該当する物件の担保提供が必要となります。
① 融資の対象となる施設及び事業の運営に利用する敷地(原則として、抵当権は第1順位)
② 上記①の敷地上に建築する(存在している)全ての建物
③ 上記①の敷地上に設定する(設定している)地上権

※貸付内定前に事業に着手してしまいますと(工事請負契約も含みます)、融資の対象にならないことがあります

原則はクリニックの建築用途のみで事業資金などには利用できません。

もよりの金融機関などからの申し込みが原則となりますが、福祉医療機構に直接申し込んだ場合は6か月から1年と融資までかなり長い期間を要します。

また診療所や歯科医院がすでに多い充足地域に該当した場合は出ないなど、用途の制限や機関の長さにやや難があります。

金利は安いので利用する価値は十分ありますが、それなりに融資までは時間を要します。

診療報酬債権のファクタリング

通常であれば2か月ほどかかる診療報酬債権(レセプト)をファクタリング会社が買い付けることで今すぐ現金化できるサービスです。
一般的には診療報酬ファクタリングと言われており、そのメリットはそのスピードであり、早ければ数日程度で資金調達が可能だということです。

また診療報酬債権は普通のファクタリングで使われる債権よりも信頼度が高く、手数料も安いのが特徴です(手数料は1.5~5%)ファクタリング会社によっては数か月分を先に手に入れることも可能です。

これ以外にもファクタリングの特徴として借り入れではなく、債権の売買契約になるので銀行などの信用情報に影響することがないのも特徴です。

診療報酬ファクタリングはその便利さから年々需要が伸びており、今後も様々な場面で活躍する資金調達法です。

それぞれの用途によって使い分ける

以上のように病院関係者でも様々な資金調達の方法があります。

金利が安い→日本政策金融公庫

土地の取得→福祉医療機構

今すぐ資金が必要→診療報酬ファクタリング

それぞれの特徴を見ながら今必要な資金を度の方法で調達するか選んでいきましょう。